その時代に優秀な競走馬が排出されやすい特定の配合をニックスと呼びます。

ニックスについて

 

ニックス(nick)とは、優秀な競走馬が生まれる可能性が高く、既に実績を残している配合のことです。
特定の配合で結果を残している複数の競走馬から特徴と傾向を割り出す結果論で、同じ系列ではなく共通した父と母もしくは父と母父であることがニックスの条件になります。

 

日本では父ステイゴールドと母父メジロマックイーンのニックスが代表事例で、特に父ステイゴールドと母オリエンタルアートによるドリームジャーニー・オルフェーブル兄弟が有名です。

 

栄枯盛衰の様子

海外では1970年代にアメリカで活躍したボールドルーラー×プリンスキロ(セントサイモン)の配合がニックスの起源と言われていて、成功した馬を模範した配合が人気を集めるようになっていきます。

 

ただし、ニックス(配合理論)に依存しすぎた配合で主要な種牡馬・繁殖牝馬の産駒が同一血筋に偏ると、次の世代で適切な交配相手を見つけにくくなる血の袋小路が発生するため、特定のニックスが数十年以上にわたって活躍することはありません。

 

 

ニックスも万能ではない

 

日本競馬界でニックスが有名になったのは、父ステイゴールド×BMS(母父)メジロマックイーンによる配合です。

 

2004年産駒のドリームジャニーは2009年に制した宝塚記念・有馬記念を含めてG1を3勝しました。
ドリームジャーニーの全弟で2008年産駒のオルフェーブルは、クラシック3冠とドリームレース(宝塚記念・有馬記念)3勝などの歴史に残る活躍を見せます。
さらに、父ステイゴールド×BMSメジロマックイーンによる同系列のゴールドシップ(2009年産駒)もドリームレース3勝、クラシック2勝の結果を残し、日本競馬史上最高の黄金配合と言われるようになりました。

 

その後はドリームジャーニー・オルフェーブルの全弟・全妹による産駒が5頭生産されましたが、重賞勝利は挙げていません。

 

父ステイゴールドとBMSメジロマックイーンによる配合も流行しましたが、ゴールドシップ以降の重賞勝利馬は出ませんでした。
長い日本競馬の歴史において、それまでニックスが注目されなかったのは、実績を残した競走馬と同じ配合をしても活躍するとは限らない血統の難しさが関係しています。

 

 

その他のニックス事例

 

日本におけるニックスは前項で紹介した父ステイゴールド×BMSメジロマックイーンの他、父ディープインパクトとの配合が以下の3パターンあります。

 

父ディープインパクト×BMSストームキャット

 

主なG1勝利産駒

  • キズナ
  • アユサン
  • ラキシス
  • サトノアラジン
  • エイシンヒカリ
  • リアルスティール
  • スタディオブマン(仏ダービー)
  • ラヴズオンリーユー

 

特徴

ストームキャット産駒は粘土質のダートや深い芝など海外の競馬場で活躍したパワー系の種牡馬で、子の世代ではスピード馬場が多い日本競馬で目立った成績を残せませんでした。

 

孫の世代になってからは、スピードと瞬発力に優れたディープインパクトとの配合で多くのG1馬を輩出しています。このように競馬の血統では母父になってから結果を残すケースが多数あります。
参考記事:ストームキャット系とディープインパクトの関係

 

 

 

父ディープインパクト×BMSフレンチデピュティ

 

主なG1勝利産駒

  • ショウナンパンドラ
  • マカヒキ

 

特徴

G1勝利場は少ないですが、G2・G3など重賞勝利馬を多数輩出しています。
このほかフレンチデピュティは母父父になってから父ディープインパクトとの配合で、ステファノス・シャイニングレイなど多くの重賞勝利馬を輩出しました。(いずれも母父クロフネ)

 

フレンチデピュティも現役時代はアメリカで活躍したパワーのある競走馬で、スピードと瞬発力に優れたディープインパクトとの相性が良かったのでしょう。

 

 

 

父ディープインパクト×BMSアンブライドルズソング

 

主なG1勝利産駒

  • ダノンプラチナ
  • コントレイル

 

特徴

アンブライドルズソングも現役時代はアメリカのダートで活躍したパワー系の競走馬で、大きな馬体が特徴でした。
種牡馬時代(子世代)はアメリカを中心に海外での活躍が目立っていて、母父になってから日本競馬での活躍が増えています。
コントレイルの活躍により注目されるようになり、新たなニックスになる期待が寄せられています。

 

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